生活していてどこか異常が感じられる。そのことに気づいていただくことが治療の第一歩です。
生活習慣病(糖尿病・高血圧・高脂血症)は遺伝的体質によるものもありますが、多くは体に悪い生活習慣が蓄積されたことによるものです。治療するには「食事療法」「運動療法」「薬物療法」が3本柱となります。特に塩分過多には注意してください。
糖尿病
糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリン量が低下する、または力を発揮できなくなることにより血糖値が異常上昇してしまう病気です。炭水化物をいくら食べてもエネルギーに変換できなくなるため、細胞がエネルギー不足となり、全身の臓器がボロボロになってしまいます。
ウイルス感染などによる1型糖尿病と、食べ過ぎによる肥満・運動不足・ストレスといった生活習慣を原因とする2型糖尿病があり、日本人の90%は2型です。
高血圧
50歳以上の日本人の約半数は高血圧といわれていますが、初期は自覚症状が特にないため軽く考えている方が多いようです。しかし、血圧が高すぎる状態を放置していると、全身の動脈に負担がかかるために、動脈硬化の引き金となってしまいます。
動脈硬化は高血圧を促進してしまうため、さらにひどくなる悪循環に陥り、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血といった重大な合併症へとつながるリスクが大きくなります。
高脂血症(脂質異常症)
体内の脂質の流れが調節できなくなっている状態で、高血圧と同じく動脈硬化の原因となります。大きく3つに分けられます。
- 高LDLコレステロール血症(悪玉コレステロールが高くなる)
- 低HDLコレステロール血症(善玉コレステロールが低くなる)
- 高中性脂肪血症(中性脂肪が高くなる)
いずれも動脈硬化を促進してしまうもので、改善するには糖尿病、高血圧と同様、生活習慣の組み立て直しが基本となります。
食事療法
コレステロールを多く含む食品や摂取カロリーそのものを減らすのがよいとされています。
運動療法
適度な有酸素運動(ジョギングやウォーキングなど)を1日に30分以上、週3回以上行うと効果があります。
禁煙
タバコは善玉コレステロールを減少させることが分かっていますので、禁煙は必須です。
薬物療法
食事療法、運動療法、禁煙を十分に行っているにもかかわらず改善が見られない場合は、薬物療法を検討しなければなりません。また、その効き目によって変更や増量を行います。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満を原因とする高血圧、高脂血症、糖尿病が起こっている状態をメタボリックシンドロームと呼びます。これらの生活習慣病は複数併発することも珍しくありません。
そのことによって動脈硬化が引き起こされ、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症などの病気になる可能性が高くなっていきます。
治療の基本は内臓脂肪を減らすことで、そのためには食事療法と運動療法が不可欠です。軽症のうちに治療していくことが大切です。
各種検査・健康診断
- 超音波エコー
- 内視鏡
- レントゲン
- 心電図